えーと今年はAdobeソフトにいろいろありまして、
かたやCCは2年前のバージョンまでしか使えなくなり、かたやCS6はマイナーアプデのアップデータが入手困難になって、再インストール後はバグてんこもりの初期バージョンを使わないといけないかもという…
はたして今日作ったデータが、数年後に同じように開ける確率が高いのはCCなのかCS6なのか、よく分からん感じになってきておりますが、
そういう事情とは関係なかったりあったりで、未だCS6に頼らざるをえない人もそこそこ多くいらっしゃるのではと存じます。今回はそんな人のための、CS6のつらいところをサポートするスクリプトを3つほどお蔵出します。
その前に、イラレの拡張機能についてちょっと説明。
Illustratorの拡張機能には、スクリプト、プラグイン、エクステンションの3つがありまして、それぞれ以下のような特徴があります。私はスクリプトと、プラグインを少し作れます。
スクリプト
拡張子は.jsxで、ExtendScriptで書きます。イラレの中身をツリー構造でモデル化した『オブジェクトモデル』というものを操作してイラレを動かします。なおこのオブジェクトモデルには、VBSなど別言語のスクリプトや、
Sppyのような外部アプリでもアクセスできます。
プラグイン
拡張子は.aipで、C++で作ります。ツールやメニュー、効果なんかが作れます。スクリプトに比べるととても高速で、オブジェクトモデルに含まれない(スクリプトでいじれない)部分も触れます。
エクステンション
エクステンションは詳しくないんですけど、イラレにドッキング可能なパネルを比較的簡単に作れて、イラレ本体とスクリプト、プラグイン、外部サーバーなんかの橋渡し的存在?です。拡張子.zxpのパッケージで配布されたりします。
今回はスクリプトの紹介なんですがプラグインもちょっと使います。
1.エリアテキスト←→ポイントテキストの切り替え
これ実は先日更新したプラグイン『
OnegaiSDK』の使用例としてのっけたんですが、誰も見てくれなさそうなのであらためて紹介します。
エリアテキストとポイントテキストを切り替える機能はCCには搭載されていて、CS6ユーザーからすると非常にうらやましいのですが、これをスクリプトで実現しようとすると、アピアランスを維持できないという問題がありました。(もしかしたらアクションを駆使したらできるかもしれませんが…)
そこでアピアランスを維持する部分だけ、プラグインの力を借りようということで、
そういうプラグインでないと操作できない部分をスクリプトからいじるための機能を集めた自作プラグイン『OnegaiSDK』に、アピアランスのコピペ機能を追加したのでした。
OnegaiSDKの機能はスクリプトのメソッドsendScriptMessageを使えば誰でも利用できますので、スクリプト開発者の方はぜひ使ってみてください。
使う準備
こちらから OnegaiSDK.api を環境に合わせてダウンロードし、インストールしてください。
使い方
エリアテキストまたはポイントテキストを選択してスクリプトを実行すると、
エリアテキストならポイントテキスト、ポイントテキストならエリアテキストに変換されます。
複数選択時には、
最前面のものがエリアテキストなら全てポイントテキスト
最前面のものがポイントテキストなら全てエリアテキストに変換します。
(それぞれポイントならエリア、エリアならポイントになるのではなく、一方に統一されるという点にご注意ください)
ダウンロード
[
エリア・ポイント切り替え ver1.0]
2.テキストをばらす
もろに『
イラレでべんり』さんのところの有名な『
テキストばらし』の真似なんですが、最大の違いは「テキスト中に1行空き(改行文字だけの段落)がある場合、そこで分割する」という点です。
1行空きが無い場合は『テキストばらし』と同じで、段落ごとにばらします。(1文字目以外も書式が保持できるとか、細かい違いはあります)
使い方
エリアテキストまたはポイントテキストを選択(複数可)してスクリプトを実行します。
ダウンロード
[
テキストをばらす ver1.0]
この2つがあれば、イラレで新たにモノを作るとき、
あらかじめ使うテキストを全部テキストエディタで打っておく
↓
イラレに丸ごとペースト
↓
テキストをばらす
↓
必要に応じてポイント・エリア切り替え
っていう感じの使い方もできます。速いぞ。
3.フォントパレット
あとCS6のしんどいところといえば、フォント選択機能の貧弱さです。
CCではフォント名を検索できたりしてうらやましい…のでフォントパレットのスクリプトというものを作ってみました。
こういう左にちっちゃいボタン、右に長いボタンが並んだパレット(スクリプトが作るウィンドウのうち、非モーダルで、常に親アプリのウィンドウより前面に表示されるものをパレットと呼びます)を生成するスクリプトで、
テキストを選択して左のボタンを押すと、そのテキストに適用されているフォントが右のボタンに表示され、それがそのフォントを適用するボタンになる、というものです。
で、
結構前に公開したんですけど、さすがに機能不足感がいなめないので、
・プリセットの保存、読み込み
・段数の増減
の機能を追加してみました。
ダウンロード
[
フォントパレット ver2.0]
ちなみにSaveボタンを押すときShiftキーを押していると、スクリプトとして保存できます。
保存したスクリプトを実行すると最初からフォントリストが読み込まれたパレットが開かれます。
いちいちスクリプト実行→ファイルを開くという手順を踏むのがめんどくさいという人は使ってみてください。
※スクリプト内でフォントパレットv2.jsxをインクルードしていますので、フォントパレットv2.jsxを削除したり移動させたりしたら動かなくなるという点にご注意ください。
ちなみにCCでも動きますが、ボタンが丸くなるのでとてもかっこ悪い
3つともですが、ろくに動作チェックできてないのでなにかと不具合等あるかと思います。
何かあったらツイッターか下のコメント欄でお知らせください。
おしモアイ
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