スクリプトから文字組みアキ量を設定するとき、A,Bを文字クラスを表す数として、
[A,B,true,…]
と
[B,A,false,…]
は
いずれも同じ『Aに属する文字の後に、Bに属する文字がきたときの間のアキ』を定義する配列である。
このうち一方が文字組みアキ量設定ダイアログに反映される『表のアキ量』、もう一方が『隠しアキ量』になる。
どっちがどっちなのかは設定箇所によりまちまち。
という不思議仕様について、ツメるときとアケるときがあるから設定が2つあるのかなぁなどと適当なことを言ってたのが
前回なわけですが。
もっと単純な話ですね。
[A,B,true,…] は、前の文字の『文字後のアキ量』
[B,A,false,…] は、後の文字の『文字前のアキ量』
考えてみれば、InDesignの文字間のアキは、間にテキストカーソルを置いてみれば、前後の文字のどちらに属するアキなのかを決めることができます。
たとえば約物全角系の文字組みにおいて、閉じ括弧の後に平仮名がくるときの半角アキは、閉じ括弧の方に属しています。
もし仮に『文字組みアキ量設定によるアキはすべて前の文字に属する』と決まっていたとしたら、平仮名の後に前括弧がくるときの間のカーソル位置はここになるはず。
そうならないのは『文字組みアキ量設定』が、ひそかに『前の文字に属するアキ』と『後の文字に属するアキ』を使い分けているということです。
そして使われなかった方が『隠しアキ量』になる…。
そう考えれば、works014さんのおっしゃっている、
>「隠されたアキ量の問題」として報告したInDesignの「文字組みアキ量設定」のバグ回避方法が見つかりました…問題となる約物類の後続文字の「文字前のアキ量」を「ベタ」に固定すれば設定通りに処理されるようです…
(
InDesignの隠されたアキ量 - Togetterまとめ)
このことも説明がつきます。句読点や閉じ括弧の後の『表のアキ量』は前の文字に属するものなので、後続文字の「文字前のアキ量」を「ベタ」にすれば『隠しアキ量』だけを無効化できると。
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