イラレのアピアランスの効果のことを、プラグイン界隈の人はライブエフェクトと呼びますが、「イラレのパスオブジェクトを、アンカーポイントを制御点とする3次Bスプライン曲線に変換するライブエフェクト」のプラグインを作りました。
3次Bスプライン曲線とは何かといいますと、
Wikipedia見てもなんだかよくわかりませんが、ともかく複数の制御点から定義される曲線で、区分的には3次関数で媒介変数表示できて、曲率が連続であり、制御点の個数をいくつでも増やせるような曲線です。
対してイラレのパスに使われている3次ベジェ曲線は、3次関数で媒介変数表示できる点は同じですが、制御点の個数は4つと決まっています。
イラレ上ではもっと多くの点からパスを描画していますが、これは複数の3次ベジェ曲線をつないでいるわけです。
そのつなぎ目(アンカーポイント)において、イラレの機能では、『向き』を一致させることはできますが、その微分である『曲率』を一致させることはできません。
したがって3次Bスプライン曲線を使えば、3次ベジェ曲線では難しい曲率連続の曲線を描くことができ、よりなめらかな印象になることが期待できます。
一方、「3次ベジェ曲線のようにハンドルで接線の向きを決めることができない」「始点と終点以外の制御点を通らない」ので、曲線の向きや通る点をベジェ曲線ほど細かく制御できないというデメリットがあります。
さて、このプラグインをインストールすると、効果メニューに『B-Spline(A)』『B-Spline(B)』『B-Spline(C)』の3つが追加されます。
B-Spline(A)…すべてのアンカーポイントを3次Bスプライン曲線の制御点として、なめらかな曲線を描きます。
B-Spline(B)…ハンドルが出ていないアンカーポイントを角(3次Bスプライン曲線の端点)にします。
B-Spline(C)…ハンドルが出ているアンカーポイントを角にします。
※ハンドルの向きや長さは曲線に影響を与えません。「ハンドルが出てるか出てないか」だけが(B)(C)に影響します。
ライブエフェクトのいいところは、アンカーポイントを動かすなどすると即座に効果も更新されるところですが、残念ながら「アンカーポイントを動かしている最中(マウスドラッグ中)」までは更新されません。
作図ツールとして使おうと思うとやはりこの点が致命的で、だからまあこのプラグインはそれほど実用的なものにはならないと思います。
もうちょっとプラグインの勉強をすればもっとガシガシ使えるBスプラインツールも作れるかも…。期待せずにお待ちください。
ダウンロード
BSplineEffect ver0.1 (2019/09/26)
[
win CC2017以降用] [
win CS6用]
[
mac CC2017以降用]
インストール方法
BSplineEffect.aip を所定のプラグインフォルダに入れるか、または適当なフォルダに入れてイラレの環境設定>プラグイン・仮想記憶ディスクでそのフォルダを追加します。